前置詞のイメージ

『鬼塚の英語マニュアル』
高校時分もそうだったのですが、著者の言う「イメージ」というのが掴みにくいです。「テキストに書いてある例は処理できるけど、他にもちゃんと通じるのか」という疑問はありがちですが、掲載例からして掴みにくいです。
当時は気にし過ぎると読めなくなりそうだったので、すぐに忘れましたが、読む量も増えたので、ちょっと気に掛けてみようかと思います。

on:接着(力)
off: 一体であったものからの「分離」

接着させている力が失われるとoffになる


彼は高いビルから見下ろした。
He looked down at the down.
He looked down on the town.
onを用いると、atよりも、視線を「接着」させてじっと見ている感じになる


彼は電車を降りた。
He got off the train.
電車への接着から外れた感じ


彼は旅に出ました。
He has gone on a trip.
trip(日常からちょっと外れた行事)に接着している感じ


途中で名古屋に立ち寄った。
I stopped off in Nagoya.
旅の途中で旅から外れた感じ

of: A of B: AがBの要素を帯びている

of + 名詞で形容詞的に表す用法では、名詞の前にgreatやnoなど形容詞が必ず入る


彼は男から金を奪った。
He robbed the man of money.
男の中の金という要素を奪い取る感じ


雪をかいて道路を空けなければならなかい。
I have to clear the road of snow.
道路の雪の要素をclearする


その男の病を治さねばならない。
I have to cure the man of the disease.
患者の病気の要素をcureする

in: 「枠・縁取り」

境界をもった枠をつくる感じ


彼女はご機嫌ななめだ。
She is in a bad mood.
変化するもの(機嫌)を縁取りすることで、「機嫌の悪い状態」になる
彼は健康です。
I am in good health.


赤い帽子が流行っている。
Red hats are in fashion.
流行っていない状態と境界を持った枠をつける。fashionの話題に入っていれば、fashionを略して枠だけ付ける

at: 点・ズームアップして点に向かう

at night: 夜を「一点」と感じている
in he night: 枠をつけ、「夜(中)に」という感じになる

at midnight: 12時に
「真夜中に」は、in the middle of night

over: ドキドキしながら、普通は越えない状態のものを越えていく

I went over to his house.
あの人の家に行った。
He came over.
あの人がやってきた。
いずれも、「他人の世界」に入っていく感じ


コーヒーを飲みながらおしゃべりをした。
We chatted over a cup of coffee.
間にコーヒーを置いて、言葉がコーヒーを越えて相手の世界に入っていく感じ


(道の端に寄って)止めてください。
Pull over, please.
交通の流れに逆らって、慎重に道の端に寄せていく感じ

from: from A to B: 起点

to Bの部分が表現されていない場合も、Bの意味が必ず隠れている

to: ⇒ 対

into: in + to: 枠(in)に向かう(to)

out ofと対照

国境の長いトンネルを抜けると雪国だった。
The train came out of a long tunnel into a snow country.

for: 交換・埋め合わせ
対象が分離していることが前提

I made for it.
まだ離れている目標(it)に向かって走っていく感じ
目標と一体化し、分離して対象化できなくなるとforが消えて、
I made it.「やった!」


2時間テレビを見た。
I watched TV for two hours.
「テレビを見たこと」と「2時間」とを「交換・埋め合わせ」している。一般に、forの後に続く語が文の「主役」になる。


彼は歳の割には若く見える。
He looks young for his age.
その人の年齢を重ね合わせるように(交換・埋め合わせ)考えると若く見える


If it were not for...,
もし・・・がなければ
it(the situation)と・・・との交換の関係がそもそもできない感じ


S V, for s v...
SVとsvを交換して埋め合わせる感じでsvが原因・理由を表す


toとfor
+場所
toは、向かって動いている感じ
行き先を示すforは、現在の場所と終点とを埋め合わせるようにこれから進んでいく感じ

+人
いろいろとありがとう。
Thank you for everything you've done for me.
toにすると勘定が込められるので、状況によっては、皮肉や怒りを含んでいる感じになる

by: 一方が他方に接近するが、合体できず、一歩手前で泊まって「差・ずれ」を残す
両者が一見くっついているようで、実は離れている

by eight o'clock 8時の手前で止まる感じ。7時半でも7時59分でもいい
I messed the train by two minutes. 2分の差で


手段のbyといわれているものは、「手段」と考えるとwithと混同するので、他と同様に、「一体のようで、実は離れている」から考えるとよい

with: 関わる(having)

withoutは、関係がなくなった状態(not having)

withoutは動名詞を伴うが、withは原則として名詞しか続かない


前置詞 + oneself
I cook for myself.
自分が自分に代わって調理してくれる>自炊している


I cook by myself.
自分の側に自分がいる状態>手伝ってくれる人がいないから「自分ひとりで」「自分の力で」>「自炊」とは言わない


in itself
itselfの枠で>それ自体


You should go and buy them yourself. 自分で買って来いよ。
You should go and buy them by yourself. (他人と一緒に行くのではなく)自分ひとりで買って来いよ
You should go and buy them for yourself.(他人があなたに代わって行くのではなく)自分で買って来いよ。

under: 内

under the desk 机の内>机の下


The bridge collapsed under the weight of the train.
橋は列車の重みで崩れた。
橋が列車の重みを「内側に入れ込む」感じ


飛行機から見た地上の家をunder the planeとは言えない。below the plane


beneathはunderの部分を含む「下一帯」


understandは自分の内(認識範囲)で(under)、(垂直に)はっきりと存在している(stand)

above: 「次元が異なり関係を持たない(持てない)」
beyond: 「自分の手の届く範囲の外」


He is above me.
あの人は私なんかより偉い。
下の私が、上の彼を、時限が異なることから見上げている感じ

He is beyond me.
あの人は私の理解の外
彼は私の手に負えない(He is too much for me.)に近い


the great beyond
あの世
beyond meの省略